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モバイルバッテリー比較

2012 年 9 月 10 日更新

ハイテク指向登山に重要なモバイルバッテリーの比較表をつくりました。モバイルバッテリー自体については下の方に詳しく紹介しています。モバイルバッテリーを選ぶにあたって重要なことは

  1. まずは容量が自分の求める用途に合致していること。スマホを何回充電したいのか、iPad も充電したいか。さらにはノート PC の電源も供給したいか。
  2. そして日帰り用なのか縦走用なのかでも持って行くべきバッテリーがかわります。できるだけ荷物を減らしたいならば、日数に合わせたバッテリーを数種類持っておくのがいいと思います。

容量に次に大事なのは軽さです。軽さは登山にはものすごく重要です。基本的にバッテリーが大きくなれば容量も増えますが、同じ容量のものでも製品によってずいぶん重さが違います。そこでここではみんながあまり注目していない容量重量比 mAh/g を計算しています。つまり 1g あたりの容量の大きさです。これが大きい方が同じ容量で軽い、性能のよいバッテリーということになります。

日程に合わせて使い分けるのがよい、と書きましたがコストがかかりますので、そうしたくない場合には単3型電池で USB 電源 (5V 500mA) を供給できるものを使う手があります。これだと必要分の電池を持ち歩けばいいので、柔軟に容量を調整できます。しかし単3型のバッテリーの場合、ニッケル水素ですので容量重量比がリチウムイオンバッテリーと比べるとだいぶ悪くなってしまいます。したがって軽さを優先したい方にはおすすめできません。が、コストパフォーマンスはいいので値段重視ならエネループを必要な本数+スティックブースター がベストだと思います。

で、著者はどうしているかというと、エネループとスティックブースターを使っています。理由はハンディ GPS と予備バッテリーを共有できるからです。今のところスマホを登山用ツールとしては使っていないので、これで十分。スマホで地形図とか GPS ロガー使い始めたらさすがにエネループじゃだめな気がしますが。

別段の記述がない限り容量は 3.6V あるいは 3.7V での値です。
製品容量重量容量重量比コメント

アクト・ツー HyperJuice 60Wh External Battery
16,000mAh 360g 44.4mAh/g MacBook Air/Pro に電源供給可能。性能が飛び抜けているため、実容量がちょっと怪しい? USB 端子は 1 つ。最大 2A。 MacBook 用に 1 台著者も持っています。 MacBook に電源供給するには他にMagSafe Airline 電源アダプタが必要。

Panasonic USBモバイル電源パック 8,100mAh
8100mAh (3.7V)220g36.8mAh/g 安心のパナソニック製。対応充電台に置くだけで充電可能な Qi 規格対応。 端子は MicroUSB が 1、USB が 2 。出力は最大 1.5A。 他に 5400mAh (150g)、10,260mAh (490g) のものがあるが、後者は高容量だが容量重量比が 20 mAh 台と悪いのでおすすめしない。

サンワダイレクト 大容量モバイルバッテリー 5600mAh
5600mAh (3.7V)142g39.4mAh/g 容量そこそこで軽量。容量重量比性能はかなり良い。スティックタイプで携帯も便利。結構おすすめ。 端子は microUSB が 1、USB が 1。出力は最大 2.1 A。

グローバルウェーブ PoKeBa コンパクトバッテリー
5200mAh140g37.1mAh/g iPhone/iPod/iPad 用のケーブルで充電できるユニークな製品。コンパクトで容量重量比もなかなかの性能。USB 端子は 2 つ。最大 1.2A出力。LED ライト付き。

ちなみにエネループ1本、1.2V 1900 mAh を 3.7V で換算すると 616 mAh。1本 27g なので容量重量比は 22.8mAh/g (3.7V) になります。参考までに。エネループ Pro だと 2400 mAh なので 3.7V 換算すると 778 mAh。それでも容量重量比は 28.8mAh/g (3.7V) 。リチウムイオンバッテリーが従来のニッケル水素バッテリーに比べ、いかに性能がよいのかよくわかります。



バッテリーについて

モバイルバッテリー?

ケータイやスマホ、一部のハンディ GPS など、最近の携帯型の電子機器は USB という規格のケーブルを使って充電ができるようになっています。通常、この USB ケーブルは 100V (100 ボルト)のコンセントにつなげる電源アダプタやパソコンについている USB 端子から電気を供給しますが、コンセントやパソコンのかわりに USB 用の電気を供給できる持ち運び可能なバッテリーのことを「モバイルバッテリー」と呼んだりします。モバイルバッテリーを持ち歩けば、100V のコンセントがなくてもケータイやスマホを充電できてしまうわけです。

USB 規格では 5V の電圧の電気を流すことになっていますので、モバイルバッテリーも 5V の電圧の電気を供給できるようになっています。もう一つ重要なのは電流の大きさです。USB 規格は当初、流す電気を 5V 500mA (ミリ・アンペア)と定めていましたが、モバイル機器の消費電力が大きくなるとこれでは足りないということで、今では 1A (=1000mA) や 2A などの電気を流せるようになりました。モバイルバッテリーは製品によってそれぞれ流せる電流の大きさが違うので注意する必要があります。すでに書いたように USB 規格は当初 5V 500mA だっただめ、USB コネクタを持つモバイルバッテリーはかならず 500mA の電流には対応していますが、たとえば iPhone などは 1A の電流を要求するため、1A に対応していないモバイルバッテリーでは充電が遅くなったり、そもそも充電ができない場合があったりしますので注意が必要です。

電圧?電流?

電気を水の流れにたとえると、水の入ったタンクの位置の高さが電圧です。水を高いところから流せば圧力(水圧)が増えます。それに相当するのが電気の場合、電圧です。つまり電気をより多く流そうとする力が電圧です。電圧の単位はボルト (V) です。一方、実際に流れている電気の量が電流で、これは水タンクから流れる水の量に相当します。単位はアンペア (A)。で、最後に抵抗という概念があります。これは水を流そうとするときのパイプの太さに相当します。パイプが太ければそれだけ多くの水が流れます。電気も同じです。抵抗の単位はオーム (Ω)。電圧を E [V]、電流を I [A]、抵抗を R [Ω] で表すとこれらには E = I × R という関係式が成り立ちます。すなわち、電圧を 2 倍にして抵抗がそのままだと流れる電流は 2 倍になる。あるいは電圧をそのままに抵抗を 2 倍に増やすと電流は 1/2 になる、ということがこの関係式から分かります。これをオームの法則と言います。

バッテリーの容量

モバイルバッテリーの性能で重要なのは容量です。つまりどれだけ長い時間電気を流せるか、ということです。 この容量の単位は Ah (アンペア・アワー)を使います。通常はこの単位は大きすぎるので値を 1000 倍した mAh (ミリ・アンペア・アワー)をモバイルバッテリーでは使うことが多いようです。1Ah は 1A の電流を 1 時間流せる、という意味になります。ただしここには電圧は入ってきていないのに注意が必要です。通常はバッテリー自体の電圧における Ah を表示します。従って、リチウムイオンバッテリーの場合は 3.6V あるいは 3.7V の電圧の電流をどれだけ流せるか、という意味になります。これだと電圧が違うと当然同じ mAh でも容量が変わってしまいます。そこで Ah に電圧 V を乗じた Wh (ワット・アワー)という単位も使われます。たとえば 3.6V で 5400mAh の場合 3.6 [V] x 5.4 [Ah] = 19.44 [Wh] になります。従って、5000 mAh の容量と書かれた製品が USB 5V 500mA の電流を 10 時間供給できるわけではありません。

バッテリーの種類と電圧

バッテリーの種類にはリチウムイオンやニッケル水素などがあります。モバイルバッテリーに使われているものはほとんどがリチウムイオンです。バッテリーの電圧はバッテリーの種類によって決まります。これはバッテリー内部でおこる化学反応から必然的に決まってしまう値になります。リチウムイオンバッテリーの場合は 3.6V あるいは 3.7V(リチウムイオンバッテリーにも様々な種類があり、それにより電圧が多少異なります)。ニッケル水素バッテリーの場合は1.2V になります。充電できないアルカリ乾電池やマンガン乾電池は 1.5 Vです。

昇圧回路と充電効率

リチウムイオンバッテリーの電圧が 3.6V なのにどうやって USB 規格の 5V の電気を流しているか。これは「昇圧回路」と呼ばれるもので電圧を上げる処理をしているからです。昇圧回路自体にロス(損失)があるため、そのためにかなりの電気を消費してしまい、バッテリーの容量分のすべての電気を 5V で供給できるわけではない、ということになります。では実際にどのくらい電子機器のバッテリーを充電できるのでしょうか。つまりモバイルバッテリーの充電の効率です。これはおよそモバイルバッテリーの容量の 50% 強程度のようです。すなわち 5000 mAh のモバイルバッテリーならば 2500 mAh の電子機器のバッテリーを1回フル充電できるということになります。意外と効率が悪いことが分かります。つまりバッテリー交換ができる電子機器ならばコストがかかりますが専用バッテリーを予備で持つことが一番軽いということになります。

一次電池と二次電池

電池には充電できるものと充電できないものがあります。充電できないものを「一次電池」、充電できるものを「二次電池」といいます。一次電池で代表的なものはいわゆる普通の乾電池やボタン電池などです。一方、ケータイなどに使われている電池(バッテリー)は充電できるので二次電池になります。エネループなど充電できる乾電池サイズの二次電池もあります。モバイルバッテリーも二次電池になります。




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