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ハンディ GPS 入門

ハンディ GPS

このページでは日本でいまいち普及していないハンディ GPS の紹介したいと思います。 このページを見てハンディ GPS に興味を持っていただき、買っていただいて、そして ハンディ GPS の値段が下がれば万々歳です。なかなかハンディ GPS の一般的な紹介をしている ウェブサイトも少ないようですので、それもこのページを書いた理由のひとつです。

最終更新: 2012/4/11
初版: 2007/8/19

GPS とは

GPS とは 「Global Positioning System (グローバル・ポジショニング・システム)」 の略で日本語には「全地球測位システム」と訳されたりします。 約 30 個の人工衛星の電波を専用の受信機で受信し、 電波に含まれる時刻情報の差から受信機の現在位置(緯度・経度)を特定します。 身近なところでは主にカーナビで利用されているシステムで、 最近は携帯電話やスマートフォンにもあたりまえのように搭載されていますのでご存じの方も多いと思います。

GPS の電波を受信し、緯度・経度を求める装置を GPS 受信機と言いますが、 「GPS」だけで受信機を指す用語として使用する例が一般的のようです。 GPS で位置情報を得ることを「測位」と言ったりします。 GPS での測位精度はおよそ± 10m 程度と言われています。 GPS で受信機の位置を特定するには最低でも上空にある 3 つの衛星の電波を受信する必要があります。 4 つ目の衛星を受信できれば高度も測定することができます。 従って電波の受信できない地下や建物の中などでは GPS を利用することは出来ません。 また森林の生い茂っている場所など電波の入りが弱い場合は、測位精度が低下します。 GPS は高度の測定が可能と書きましたが、 水平方向(緯度・経度)の測位に比べると精度が非常に悪くなります。 一般に、GPS による高度は水平方向のより誤差がおよそ 1.5 倍から 2 倍程度大きくなるようです。

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ハンディ GPS とは

ハンディ GPS (ハンディ GPS 受信機、またはハンディ GPS 機) は携帯可能なサイズのバッテリで稼働する小型の GPS 受信機です。 元々は登山やトレッキングなどのアウトドアで自分の現在位置を知るためのツールとして発達しました。 緯度・経度のみを表示できるシンプルなものからカラー液晶を搭載し地図を表示できる機種まであります。 衛星の電波を受信できる場所ならばどこでも自分の位置がすぐに確認できます。 あらかじめ目標地点などを登録しておけば位置関係や距離を表示したりできます。 現在の速度や移動距離なども計測可能です。

基本的にカーナビと似ていますが、ハンディ GPS の最大メリットは、 小型・軽量で乾電池等のバッテリーで駆動するため、気軽に持ち歩けるという点だと思います。 いつでもどこでも気軽にナビゲーションが可能です。また、後で詳しく述べますが、 カーナビや携帯電話の GPS と違った、ハンディ GPS 独自の使い方・楽しみ方が色々あります。

ハンディ GPS を開発・販売しているメーカは主だったところで数社ありますが、 一番有名なのは Garmin(ガーミン)だと思います。 日本ではいいよねっとが日本語版の開発・販売を行っています。 ユーザも多いですので、主にアウトドアでの利用を考えている方はガーミン機を買うのが一番おすすめです。 最近ではソニーユピテルなど、国内メーカもアウトドア向けハンディ GPS の販売に参入してきました。

GPSMAP 60 CSx 写真は著者の所有しているガーミン社のハンディ GPS GPSmap 60CSx です。 アンテナが飛び出していて全方向から高感度で GPS の電波を受信できるのが特徴です。 すでにガーミンからはこれよりも新しい機種がいくつか出ていますが、 測定精度・操作性・バッテリィの持ちなどのバランスを考えると、 現在でも最新機種と比べてそれほど性能が劣っていません。 GPSmap 60CSx はカラー液晶を搭載し地図が表示できます。 また、microSD カードを使用できますので、 地図をたくさんインストールしたり、トラックログ(軌跡)を本体のメモリサイズを 気にせずに大量に保存可能です。単三型乾電池 2 本で稼働します。防水性能もあります。 電子コンパスと気圧高度計も搭載しています。英国滞在中に買ったので日本語を表示できない英語版です。 著者のハンディ GPS については「山の装備品 GPS コーナ (旧ウェブサイト)」で詳しく紹介しています。
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ハンディ GPS で何ができるか

機種によってできることは異なりますが、一般的なカラー液晶を搭載した地図の表示 できる機種で何ができるか箇条書きしてみます。

以下に具体的な使用事例をまとめてみました。

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登山・トレッキングで使う

もともとハンディ GPS はアウトドアフィールド用に開発されてきましたので、 登山での使用はハンディ GPS の本領発揮です。 2000 m を越えるようなアルプスなどの深山や雪山に行かれる方には、 ほとんど必須といわれてもいいツールであると思います。 電子機器であるため 100% GPS に頼ることは危険ですが、ほぼ道迷いなどによる遭難のおそれがなくなると言えると思います。 最近は登山での使用を前提として電子コンパス・気圧高度計を搭載しているものが増えています。 GPS による高度の測定は精度が悪いと上に書きましたが、 気圧高度計を併用することにより数メートルの誤差で高度を測定可能です。 また、ほとんどの機種はアウトドアを前提にしていますので、携帯電話と違い防水仕様です。 また GPS では停止すると方角がわかりませんので、電子コンパスがついていると便利です。 ただし電子コンパスは電気の消費が非常に大きいですので、 基本的に普段は使用せず、必要なときのみ使用します (電子コンパス機能のオンオフが設定がたいていの機種で可能です)。 移動していれば方角が分かりますので、通常は使用しなくても問題ないです。

山の遭難事故でもっとも多いのが道迷いです。 特に登山道から外れる山菜採りや登山道が不明瞭になりやすい冬山の登山などで頻発していますが、 ハンディ GPS があれば歩いた軌跡を表示できますので、 遭難の危険性を大幅に下げることができます。 大抵のハンディ GPS には来た道を戻る案内をしてくれる機能がついています。 視界不良時もほぼ確実に現在地を確認できますので、遭難のおそれが極端に低くなります。 また事故が起きた際も、自分の場所を他人に説明することが容易になりますので、 救助なども迅速に行うことができるようになると思います。

ただし繰り返しになりますが、あくまで電子機器ですので 100% 確実に 動作することはあり得ません。GPS を持っていても登山に地図とコンパス は必携です。森などが生い茂っている場合には電波を受信できない 場合もあります。また電池切れにはくれぐれも注意しましょう。

著者は登山の際は常に携帯し、 現在位置確認及び道迷い防止、さらに地図&トラックログ付きの山行記録を作成するのに使用しています (著者の山行記録 (旧ウェブサイト) )。 Google Maps API を使用することによりトラックログをウェブページに表示させることが可能です (高尾山に行った際のトラックログ (旧ウェブサイト)。 赤が歩行区間、緑がバス等による移動区間です)。 トラックログファイルをアップロード&表示できるサービスがいくつかありますので、 それを利用すれば手軽にトラックログ付きのウェブページやブログを作成することもできます。

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デジカメと一緒に使う

ハンディ GPS でトラックログ(軌跡)を保存しておけば、デジタルカメラ等で撮影した写真に位置情報(緯度・経度)を付けられます。最近は GPS を搭載し自動で位置情報を写真につけられるカメラも増えてきましたが、カメラ自体に GPS が搭載されていなくても、トラックログがあれば後からそれが可能です。パソコンを使えば地図上に撮影した写真を貼り付けたりして楽しめます。何処で撮った写真か分からなくなることもなくなります。撮った写真の整理も「位置」で整理できますので便利です。

写真に正しい緯度経度を付けるにはデジカメの時刻を GPS 機に合わせておく必要があります。写真の撮影時刻の情報を利用して、それに一番近いトラックログの座標を使用するからです。デジカメの時計のズレは普段あまり気にすることがないと思いますので注意しましょう。ちなみにデジカメの時計は時報ではなく、必ず使用する GPS 受信機の時計に合わせる必要があります。GPS 受信機の時計は GPS 衛星からの電波に含まれる時刻情報に基づいて表示しますが、この時刻情報にうるう秒が反映されていないため、機種や内蔵のソフトウェアのバージョンによっては GPS の時刻と実際の時刻にずれが生じる場合があります。 GPS とうるう秒については日本標準時グループのウェブページが詳しいです。2008 年末にもうるう秒が挿入され、GPS 時計と UTC (世界協定時)との差が+14 秒から+15 秒に広がりました。さらに 2012 年 7 月 1 日にもうるう秒の挿入が予定されています。GPS 時刻 と 世界協定時(UTC) との時間は +16 秒に広がります。(ソース)

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海外旅行などで使う

海外旅行に行く場合、ホテルの場所、観光スポットなどをあらかじめ調べて GPS に入れておけば道に迷うおそれがなくなりますので非常に重宝します。著者は極端な方向音痴なので非常に助かっています。 気に入ったお店なども場所を GPS にメモすれば、あとでもう一回行く、といったことも簡単です。とにかく知らない町で自分の位置が常に分かるという安心感は絶大です。もちろん海外に限らず、国内旅行でも使えます。

バスや電車に乗った際も(地下鉄では電波が受信できず無理ですが)現在位置を知ったり、移動速度や方向も知ることができるので便利です。著者はイギリスからパリまでユーロスターに乗ったことがありますが、速度が常に分かって非常に楽しかったです。またどの辺にいるのか分かるので、ドーバー海峡のトンネルをいつ頃通過するかなども分かって便利でした。

著者は旅行に出かけるときは常に電源を入れておいて、軌跡(トラックログ)を保存して帰宅後にデジカメの写真とリンクさせたり、トラックログを Google Earth 上で表示させたりして楽しんでいます。 海外旅行などに行った際の GPS トラックログを「番外編:旅のメモ(旧ウェブサイト)」 で公開しています。

GPS on EuroStar ユーロスターでロンドンからパリに移動中に車内でハンディ GPS を撮影したものです。 少し見にくいですが、速度 297 km/h と表示されています。
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自転車用・バイク用のカーナビとして用いる

ハンディ GPS を自転車・バイクに装着するアダプタが販売されています。 それを利用すれば自転車・バイク用のカーナビとしてハンディ GPS を利用できます。 ルート案内もできますので、最新のカーナビまでは行かないにしろ、地図を利用したナビゲーションが可能です。 もともと著者はサイクリング用にハンディ GPS 機を購入しました。 いちいち地図をバッグから取り出して確認する必要がありませんので非常に便利です。 スピードや移動距離も表示できますのでサイクルコンピュータの代りにもなります。 サイクルコンピュータに GPS が付いた自転車専用機もガーミンから発売されています。 また最近は自転車での利用に特化した専用 GPS も出てきています。

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カーナビとして用いる

もちろんカーナビとして使用することもできます。 最新の HDD カーナビと比較すると機能不足ですが、 現在位置の確認やルート検索・案内などもできますので最低限の機能は揃っていると言えます。 自動車のダッシュボードに固定するマウントなども発売されています。 最近流行の小型カーナビである PND (Personal Navigation Device) はハンディ GPS の亜種として発展してきました。 バッテリ駆動可能なものもありますので PND も広い意味ではハンディ GPS に含まれると思います。

ハンディ GPS 機があれば、 カーナビがついていないレンタカーや人の車を運転するときなどにも緊急時のカーナビとして使えて便利だと思います。知らない土地でタクシーに乗るのも安心です。

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その他使い方はアイディア次第

上記に挙げた使い方以外でも、アイディア次第で楽しみ方・使い方は広がります。 ちょっとした使い方を並べてみました。

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